続「ポンコツ監督」・「相撲が小さい」

ABSチャレンジも甲斐なし

山本由伸投手が11日(日本時間12日)、本拠地・ダイヤモンドバックス戦に先発し、6回103球を投げて5安打6失点と打ち込まれ、6敗目を喫した。6失点は3年目で最多タイという、ファンとして、極めて見たくないものだった。それは山本といえども、いつもいつも勝てるものでないことくらい、承知している。しかし、今や米球界を代表する投手なのであるから、メッタ打ちというような、悪夢的破局だけは、回避してもらいたいのである。

 前回山本投手について論じた「相撲が小さい」で指摘したのは、審判によるものであれ、自身の不調によるものであれ、低めへのコントロールがうまくゆかなかった時は、その時はもう場外乱闘を戦っているつもりで、低めへのこだわりは捨てるということ。どの球を取っても一級品、えぐい球と定評のある投手なのであるから、自分の持っているありったけを駆使して、打つなら打ってみろと勝負に出る。それで、やられたら仕方ないと観念する、というものであった。肝心なことは、低めに拘らずストライクゾーンを一杯に使って、球の切れや、高低の変化で抑え込んでゆく。

 それは今回の敗戦についても、当てはまると思うのだが、今シーズン、低めへのコントロールを信条とする山本にとって、恩恵とも言うべき環境の変化があり、山本には、画期的な改革がなされた年だということすらできる。それは、審判によっては低めに辛く、その為にピッチングが組み立てられず、四球を出す、いや出したくないとやはり低めに球を置きにいって打ち込まれるということが時に起こっていたのに、今シーズンからMLBには投手、捕手、打者に認められるABSチャレンジというシステムが導入された。投手で言えば、ギリギリストライクの筈なのにボールと審判により判定されたら異議申し立てができるというもの。ひどい誤審があっても、「人間のやることだから、間違いもある、それも野球」なんて、悟りきったようなことを言う人もいたが、こうしてカメラによる判定が始まって半年経過したが、反対の声を聞かない。判定がくつがえれば有難いし、逆の結果が出たとしても、モヤモヤ感を抱えずに済む。特にそれで恩恵を受けたと思われるのが、ギリギリを突く山本に他ならない。

 にも拘わらず、今回山本は、やはり四球から、崩れている。5点を奪われた6回、先頭打者を初球から4球連続ボールで歩かせてしまった。審判によるのでは、ない、自身の不調、もうきょうはここで、コントロールはどうしようもない、低め中心は、ヤメだと、気持ちを切り替えるべきであった。その後、1死をとるも、ヒット、犠飛を許し、更に適時2塁打を許すと、次打者は、ベンチの指示で、申告敬遠。そうしないといけない打者だったか、ということ以前に、この介入は、山本に、今日の自分はダメなんだという喪失感を与えたに違いない。監督がやるべきだったのは、もうこの際ヤケクソダ、思い切って腕を振り、球のキレで勝負しろ、と言ってやることだったのではないか。そして起こった破局。打ち取れるとポンコツ氏がにらんだ筈の打者に3ランを浴びる。

日テレNEWS2026.7.12配信から、写真:時事

 まさか・・・。山本を信じる者には、悪夢と言う他ない。その球をリプレイで見ると、ど真ん中高めに行っているのではない、むしろ狙い通りの低め。だが、・・・球は死んでいた。

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